2023年9月から4か月に渡って開催された「生理的機能咬合を考慮した矯正実践コース@白水貿易大阪本社」が無事終了しました。
今回も全国から熱心な先生にご参加いただきました。
最終回は「不正咬合の診断実習」
実際の症例を用いて、骨格、顎機能など様々な角度から分析し、治療計画を立てる実習を行いました。
不正咬合を治療するためには以下の3つのことが必要だと考えています。
①なぜ不正咬合になるのか?を知る
不正咬合を治療する前に、なぜ患者さんが不正咬合(=正常な状態からずれてしまったのか?)を知る必要があります。生まれたときから不正咬合の方はいません。遺伝的な要因、環境的な要因の両方が不正咬合の原因となります。すべてのことには原因があります。原因を知らなければ永遠に対処療法になってしまいます。
②不正咬合の治療ゴールを知る
矯正治療には一般的な治療ゴールが存在しています(ex. Andrews 6 keysなど)。一般的な治療ゴールは不正咬合ではない平均的な骨格の方から導き出されたものを治療ゴールとしています。しかし、不正咬合がある方は骨格自体が平均的ではありません。平均的ではない骨格の方に、平均的なかみ合わせを当てはめることには無理が生じます。一つとして同じ形のないヒトの骨格に合わせて、治療ゴールを設定してあげるためには、骨格に違いに応じた治療ゴールを知ることが大切です。
③不正咬合を治療するための方法を知る
現在、不正咬合の治療法には、様々な方法があります。ゴールを達成することができればどんな方法でも構いません。できるなら、患者さんにとって負担の少ない(身体的、時間的など)の方法が好ましいと考えます。それぞれの方法にはメリット、デメリットがあります。現在のところ、ゴムメタルを用いたGEAW(ギア)システムがゴール達成には適していると考えています。
上記3つの不正咬合に対する考え方を実践コースで可能な限りお伝えしました。
コースで学んだことを患者さんに実践していただき、患者さんが幸せになっていただけることが、何よりも喜びであります。
学んだことを継続的に実践していただけるよう、これからもサポートさせていただきますので、各種フォローアップセミナーでお会いできるのを楽しみにしています。