患者さんの顎の動きを計測する器械であるキャディアックス(CADIAX)
キャディアックスは当院で矯正治療をする患者さんには欠かせない器械です。
先日キャディアックスの開発、発売元であるGAMMA dental(オーストリア・ウィーン)の社長であるクリスチャン・スラビチェックが岡山に来てくれました。
現在のヨーロッパ・ウィーンの様子、キャディアックスについての最新の開発情報を教えてきただきました。そしてキャディアックスに対する要望などをお伝えし、とても有意義な時間を過ごすことができました。
今年の1月、クリスチャン・スラビチェックの父親であり、キャディアックスを考案したルドルフ・スラビチェック先生が94歳で逝去されました。
7月にはウィーンでセレモニーが行われ、その時の様子を収録した動画をいただきました。
セレモニーではスラビチェック先生とゆかりの深い数人の先生がスピーチされていました。もちろん佐藤貞雄先生も話をされていました。
佐藤先生は、
「スラビチェック先生と出会い、スラビチェック先生から学び、そして人生が変わった。」
本当に感動的なスピーチでした。
スラビチェック先生のコンセプトを日本に紹介し、キャディアックスについての膨大な研究を行い、顎機能診断のさらなる発展を担ったのは佐藤貞雄先生であることは間違いありません。
僕自身、歯科医になってすぐキャディアックスを使い始め、佐藤先生から様々なことを教えて頂きました。
学んでも学んでも奥が深い概念で、一生かけてもこの概念を理解するのが難しいのではないかと愕然としたのを覚えています。
しかし、そんな佐藤貞雄先生もスラビチェック先生の概念を学び始めたスタートがあるはずです。
今回の佐藤先生のスピーチ中で、スラビチェック先生との出会いを鮮明に覚えていて、それが1989年とのこと。
1989年にスラビチェック先生に出会ったとき佐藤貞雄先生は43歳。
そして今、僕は43歳。
つまり今の僕と同じ年齢の時に佐藤貞雄先生はスラビチェック先生に出会い、その後30年という時間を費やす人生のテーマと出会っていたのです。
どんなことにも始まりがあります。
そして、継続することでしか得られない景色があります。
僕自身、30年後まで楽しむことのできる新たなテーマに出会うことができるのでしょうか。
このさき一生、出会わないかもしれません。
もしかしたら、すでに出会っているのかもしれません。
でも、それが分かるのは30年後です。
だからこそ、今、本当に大切なことは何なのか?を問い続け、行動し続けるしかないのかなと。
ルドルフ・スラビチェック先生と佐藤貞雄先生の関係から改めて大きな学びを与えて頂きました。