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2012.09.26

世界から歯科を学ぶ ーインド人歯科医の熱い思いー

 

前回のブログでも報告しましたが、2012年9月15日~17日横浜で開催された国際MEAW研究会2012に参加してきました。

(MEAWとは MultiLoop Edgewise Arch wire の頭文字をとった略称で、歯列矯正治療に用いるワイヤーとそのテクニックの名称です。)

 

世界17か国から歯科矯正治療をされている先生が参加されていました。

3日間で演題数47。

非常に中身の濃い3日間でした。

すべてのセッションが英語なので、最初はついていくのが大変でした。

最終日にようやく少しは英語に慣れたかなというところです。

 

世界17か国のなかでインド出身の先生と懇親会で知り合うことができました。

学会が終わった後に横浜から京都、広島へ観光に行くとのことで、途中、岡山にも立ち寄ってくれました。

お昼過ぎに岡山駅に到着し、当院を見学。夕ご飯を食べて広島に旅立っていきました。

 

彼はインドの歯科大学を卒業し、矯正学を勉強するために

インドの大学のマスターコースの入学試験にトライしていました。

しかし、2000人受験して5人しか合格しない難関で、2年間トライしたものの断念。

現在、フィリピンの歯科大学のマスターコースで奨学金をもらいながら勉強しています。

フィリピンの大学の彼の上司が、この学会の元会長でもある

神奈川歯科大学の佐藤貞雄先生と知り合いで、彼も参加することになりました。

 

彼と話す中で、

「今回、日本に来て、学会に参加して、この学会の矯正治療の素晴らしさに感銘をうけた。日本に来た10日前から僕の人生が変わってしまった。この考えを何とかもっと勉強したい」

と何度も言っていました。

矯正治療の中でも今回参加した学会の考え方は世界的にもあまりポピュラーではありません。

それは日本においても同じ状況です。

患者さんの見た目だけでなく、口の機能全体を考えた矯正治療なのですが、治療の概念、テクニックなどの煩雑性から取り入れる先生が少ないのが事実です。

彼の感想を聞いて、マイノリティーである自分たちの矯正治療の考え方を、外国の先生にここまで共感してもらっていることに、嬉しく思いました。

 

彼がこの考えを勉強するには、フィリピンのマスターコースを終了後、

神奈川歯科大大学でドクターコースに進学することがベストの選択肢です。

しかし彼は4年前に交通事故で父親を亡くし、

現在、奨学金と銀行のローンでフィリピンのマスターコースで勉強しています。

インドの地元には母親と妹が待っているそうです。

残念ながら、神奈川歯科大学には外国人向けの奨学金制度はありません。

正直、彼のよう熱い思いで、新しいことを勉強したいを言っている人に

会ったのは僕の人生で初めてかもしれません。

なんども、「日本で勉強したい。勉強したい。」と言っていました。

そして、金銭的な問題でその思いがかなわない現実に非常にもどかしい思いがしました。

なんとか、彼の思いが解決できる方法があることを願っています。

 

今回の国際大会に参加して、インド人の彼と出会って、

当たり前のことですが、世界にはまだまだ自分の知らないことが

たくさんあることに改めて気付かされました。

 

また、自分にこの矯正治療の概念を教えて下さった、

神奈川歯科大学、佐藤貞雄先生の

世界の人も魅了する矯正治療概念の素晴らしさを

再認識することができた非常に有意義な体験でした。


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