15年ぶりの横須賀。大学院時代の5年間という、短いようでいて濃密な時間を過ごした場所です。



今回、佐藤貞雄先生、スラビチェック先生の哲学を学んだ弟子たちが、桜咲く日本に集い、それぞれの歩みを報告し合いました。
私が大学院生だった15年前、みんなまだ学び始めたばかりの生徒でした。
それが今では、世界各国でこのフィロソフィーを伝える立場として活躍しています。
ヨーロッパはもちろん、北米、南米でも、この哲学が少しずつ、でも確かに広がってきているのを感じます。

今回、私は小児期の早期治療がどれくらい有効なのかを、20年近くにわたる経年資料をもとに発表させていただきました。
過去の研究では、早期治療の有効性に否定的な論文もあります。
でも、科学的なエビデンスというものは、決して固定されたものではなくて、
時代とともに更新され、上書きされていくものでもあるんだと思います。
今回は、まさにその上書きが始まろうとしている瞬間に立ち会っているんじゃないか、
そんな気もしました。
もちろん、本当に上書きされるためには、まだまだ長い時間が必要なんだと思います。





佐藤貞雄先生、スラビチェック先生の提唱する、全身とのかかわりまで含めた咬合をベースとする歯科医療は、本当に奥深いものです。
MEAW矯正やシークエンシャル咬合といった言葉だけでは表現しきれない、哲学的な思想がそこには含まれています。
私自身も理解するのにとても苦労しました。
そして、今でも本質を完全に理解できているわけではありません。
でも、そんな哲学だからこそ、それに触れた人は、
それぞれの土地で、それぞれの時間をかけながら、
少しずつ自分の臨床の中に根づかせていくんだろうなと思います。



矯正治療が生まれたアメリカで活躍する矯正専門医が、
アメリカの矯正治療の問題点をこのフィロソフィーで少しでも解決したい、
と話していたことが、とても印象的でした。
各国の先生方の発表を聞きながら、その活躍ぶりに刺激をもらうと同時に、
この15年の間に佐藤先生ご自身も、常に進化を続け、
新しい課題に挑戦し続けていることには感銘を受けました。
80歳になってもなお好奇心を持ち、課題に取り組むそのエネルギーと姿勢には、
ただただ驚かされます。

いまだに佐藤先生の前で発表すると、大学院に入ったころの自分に戻ったような感じになるんですよね。
でも、自分に叱咤激励してくれる師匠がいることは、ありがたいことだなと思います。
一人として同じではない臨床に、完璧なゴールはありません。
そんな師匠がいるからこそ、自分の臨床に満足することなく、見返して、
未熟さに向き合って、よりよいものにしなきゃいけない。
そんな機会をもらえていることも実感しています。
私自身は本当に微力ですが、そのエネルギーのおこぼれを少しでも頂きながら、
これからも自分にできることを少しずつやっていきたいなと思います。
この1か月は、データ整理と英語プレゼンで頭がいっぱいだったので、
とりあえず少しだけ解放したいなと思います。
ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
そして、忙しい中、会場設営や当日の運営をしてくださった先生方にも、心から感謝しています。