アライナー矯正を中断してワイヤー矯正に変更した方のお話です
(まれにですが、こういうこともあるというお話。ほとんどの方は大丈夫です)
■アライナー矯正ってなに?
アライナー矯正、マウスピース矯正、インビザラインについて復習してみます。
「アライナー」は口腔内の3Dスキャニングデータを用いて作成したマウスピース状の装置のことです。マウスピース装置のなかでも歯を動かす作用のある透明なマウスピースのことを「アライナー」と呼んでいます。
アライナーを決められた順番通りに装着することによって歯を動かす矯正治療法がアライナー矯正。
アライナー矯正で世界的に有名な企業が「インビザライン」。
現在、アライナーを製造してくれる会社世界中で何十社もあるようです。
■アライナー矯正の利点と欠点
アライナー矯正はワイヤー装置に比べて圧倒的に違和感が少なく、透明なシートなのでほとんど目立ちません。取り外しができるので歯磨きがしやすく、むし歯のリスクにもなりにくいのが特徴です。
ワイヤー装置に比べて良いことだらけのように思いますが、やっぱり弱点があります。
それは「一日20時間以上装着しないと歯が動かない」(←すごく大切!!)
食事の時は取り外す⇒歯磨きをしてすぐ装着。
をひたすら繰り返します。
「自分の歯並びを自分で治す!」という意志がある方であれば、必ず装着できます。
しかし、この単純な作業がちょっと苦手だなという方にとっては、結構大変な作業です。
■アライナー矯正、もう無理です。。。
目立ちにく装置がいいとのことでアライナー矯正で治療を開始した患者さん。
ついつい装着するのを忘れてしまうとのこと。3ヶ月経っても予定の1割しかアライナーが進んでいません。
私:「アライナー矯正を続けられそうですか?」
患者さん:「次こそはちゃんとつけてきます!」
との約束したんですが、次回来院時には
患者さん:「やっぱり忘れちゃうんです、アライナー矯正、無理そうです。。」
私:「そうですか、ワイヤー矯正にしましょうか」
患者さん:「そうします。。。」
とのこと。
アライナー矯正開始前には、アライナー矯正の利点と欠点、1日20時間以上装着が必要であることを何度も説明しているのですが、実際始まってみないと大変さが分からないこともあります。
■ご自身のライフスタイルに合わせた治療法の選択
矯正治療はとっても時間のかかる治療です。虫歯のように削って詰めてハイ終わり、というわけにはいきません。
様々な治療法の中からご自身に合った治療を選んぶことができれば、治療もスムーズに進んでいきます。
矯正治療は生涯の中で何度も経験する治療ではないので、やってみないと分からないこともあるのも事実。そんなときは、うまくいかなかったときのことも考えておくのも大切だと思います。今回はワイヤー矯正に変更することで、かみ合わせを治すという目的は達成できます。
歯の治療法って分からないことが沢山あるかと思います。不明な点があれば遠慮なく聞いて頂き、納得して治療を受けてもらいたいなと思っています。